2021/11/25

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デルタ株への222nm紫外線の新型コロナウイルス不活化効果を確認

国立大学法人広島大学とウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 内藤 宏治、以下 ウシオ)の共同研究(研究題目「Care222®を用いた222nm紫外線による殺菌・ウイルス不活化効果に関する研究」)の一環として、今般、広島大学病院 感染症科 大毛 宏喜教授、ならびに同大学大学院医系科学研究科ウイルス学 坂口 剛正教授のグループにて、ウシオの抗ウイルス・除菌用紫外線技術「Care222®」を用いた新型コロナウイルスのうち、デルタ株※1への照射効果を評価いたしました。その結果、従来株と同様にデルタ株においても222nm紫外線の不活化効果が確認されましたのでお知らせいたします。

 

■概要
この度、広島大学病院感染症科の北川 浩樹診療講師、野村 俊仁診療講師、大毛 宏喜教授と広島大学大学院医系科学研究科ウイルス学の坂口 剛正教授のグループは、中心波長222 nmのエキシマランプと有害波長を取り除く特殊な光学フィルタを組み合わせた、ウシオの抗ウイルス・除菌用紫外線技術「Care222®」搭載ユニットを新型コロナウイルスのデルタ株に照射したところ、従来株と同様に不活化効果を示すことを明らかにしました。
本評価結果により、Care222®は従来の新型コロナウイルス株およびN501Y変異株※2同様に、デルタ株にも有効であることが示されました。 

■背景
先行する研究において、同研究グループはCare222®搭載ユニットを用いて、従来株における新型コロナウイルス不活化効果を世界に先駆けて明らかにし1)、さらに、新型コロナウイルスでの中心波長222 nmの紫外線による不活化効果は点灯方法(連続・間欠等)によらず累積照度に依存することを明らかにしました2)。また、N501Y変異株への222nm紫外線の不活化効果が従来株と変わらないことも報告しました3)
現在、新型コロナウイルスの複数種の変異株による感染者が増えつづけています。米CDCの内部文章によると、1人の患者が何人に感染させるかという基本再生産数(R0)が従来株では2~3程度であったのに比べ、デルタ株では5~9と水痘並みに高くなっています4)。また、デルタ株はアルファ株にくらべて入院率が2倍になるという重症化の報告5)がされています。さらには、研究室内での試験において、ワクチン2回接種した場合においてもデルタ株は従来株にくらべて、中和抗体の活性の低下(ワクチン効果の低下懸念)が確認されています6)。一方、ウイルスの不活化に必要な紫外線(UV-C)量は予測可能であるとされています7)。新型コロナウイルスの変異株は複製・増殖時にゲノム(遺伝情報)のごく一部の配列が変化したものですが、紫外線(UV-C)の感受性を規定するゲノムサイズや塩基組成8)に大きな変化はありません。したがって、従来株と変異株で222 nm紫外線への不活化の感受性は理論的に変わらないことが推察されていました。これまでに、我々はN501Y変異株と従来株において、222 nm紫外線による不活化効果は当初の推察どおり同等であることを明らかとしましたが、今回はデルタ株の不活化効果についても確認したいと考えました。
このような状況をふまえ、ウシオは広島大学病院感染症科および広島大学大学院医系科学研究科ウイルス学のグループと、中心波長222 nmの紫外線による新型コロナウイルスのデルタ株の不活化について検証するため、共同研究を行いました。

■評価内容および結果
新型コロナウイルスの臨床分離株の全ゲノム解析をおこない、同分離株がWHOにより「Variant of Concern(注視すべき変異)」に指定される、デルタ株(インドで最初に確認された変異を有するB.1.617.2系統)であることを確認しました。この分離株での222nm紫外線による不活化効果の評価を行いました。 それぞれの新型コロナウイルス株に対し、プラスチックシャーレ上にウイルス液を5μL滴下し、2、4、6 mJ/cm2の222nm紫外線による照射試験を行いました。紫外線照射後のウイルス感染価をTCID50法で評価し、未照射のサンプルと比較して各照度における不活化効果を評価しました(n = 2)。その結果、当初の推察通りデルタ株に対しても従来株と同様に222 nm紫外線による不活化効果が得られました(図、表)。

紫外線(UV-C)は、1世紀以上にわたって病原体消毒に使用され、水処理、空調機器、およびモノの消毒に利用されてきました。各微生物を不活化するのに必要なUV曝露量は様々ですが、紫外線(UV-C)に対して抵抗性を獲得した既知の微生物は存在しません。また、ここまでの評価では新型コロナウイルスのデルタ株においても222 nm紫外線に対する感受性が変化しないことが明らかにされたことから、Care222®によるウイルス対策への展開が期待されます。


※1 変異株 一般的に、ウイルスは増殖・複製の過程で、少しずつゲノム配列が異なるウイルスが発生します。このゲノム配列の異なるウイルスは変異株と呼ばれ、一部の変異株はそのゲノム配列の変化によって感染力が強くなったり、重症化しやすくなることがあります。
※2 2021年7月6日 当社プレスリリース「222 nm紫外線の変異株における新型コロナウイルス不活化効果を確認」をご参照ください。 https://clean.ushio.com/jp/news/210706.html

■参考文献
1) Kitagawa, H., Nomura, T., Nazmul, T., Omori, K., Shigemoto, N., Sakaguchi, T., & Ohge, H. (2020). Effectiveness of 222-nm ultraviolet light on disinfecting SARS-CoV-2 surface contamination. American Journal of Infection Control, 49.
https://doi.org/10.1016/j.ajic.2020.08.022
2) Kitagawa, H., Nomura, T., Nazmul, T., Kawano, R., Omori, K., Shigemoto, N., Sakaguchi, T., & Ohge, H. (2021). Effect of intermittent irradiation and fluence-response of 222 nm ultraviolet light on SARS-CoV-2 contamination.Photodiagnosis and Photodynamic Therapy, 33.
https://doi.org/10.1016/j.pdpdt.2021.102184
3) 222 nm紫外線の変異株における新型コロナウイルス不活化効果を確認
https://www.ushio.co.jp/jp/news/1002/2021-2021/500814.html
4)https://context-cdn.washingtonpost.com/notes/prod/default/documents/8a726408-07bd-46bd-a945-3af0ae2f3c37/note/57c98604-3b54-44f0-8b44-b148d8f75165.#page=1
5) Twohig, K. A., Nyberg, T., Zaidi, A., Thelwall, S., Sinnathamby, M. A., Aliabadi, S., Seaman, S. R., Harris, R. J., Hope, R., Lopez-Bernal, J., Gallagher, E., Charlett, A., & De Angelis, D. (2021). Hospital admission and emergency care attendance risk for SARS-CoV-2 delta (B.1.617.2) compared with alpha (B.1.1.7) variants of concern: a cohort study. The Lancet Infectious Diseases.
https://doi.org/10.1016/S1473-3099(21)00475-8
6)Samarakoon, U., Alvarez-Arango, S., & Blumenthal, K. G. (2021). Delayed Large Local Reactions to mRNA Covid-19 Vaccines in Blacks, Indigenous Persons, and People of Color. New England Journal of Medicine, 385.
https://doi.org/10.1056/nejmc2108620
7) Blatchley, E., Brenner, D., Claus, H., Cowan, T., Linden, K., Liu, Y., Mao, T., Park, S. J., Piper, P., Simons, R., Sliney, D., (May, 12 2021). Far UV-C Radiation: Current State-of Knowledge. The International Ultraviolet Association.
https://iuva.org/resources/covid-19/Far%20UV-C%20Radiation-%20Current%20State-of%20Knowledge.pdf
8)Pendyala, B., Patras, A., Pokharel, B., & D’Souza, D. (2020). Genomic Modeling as an Approach to Identify Surrogates for Use in Experimental Validation of SARS-CoV-2 and HuNoV Inactivation by UV-C Treatment. Frontiers in Microbiology, 11(September).
https://doi.org/10.3389/fmicb.2020.572331

■ウシオの抗ウイルス・除菌用紫外線技術「Care222®」
波長222nmをピークに持つエキシマランプに特殊な光学フィルタを組み合わせることで、ヒトに悪影響を及ぼす230nm以上の波長をカットした、抗ウイルス・除菌技術です。現在、本技術を搭載した製品であるCare222®ユニットは国内医療機関等を中心に数千台出荷されており、今後公共施設や教育機関などへの展開も予定しております。

■広島大学病院 (広島市南区)
1945年、前身となる広島県立医学専門学校と附属病院が開校。県立医科大学をへて53年に国立に移管しました。日本国内で有数の高度医療技術を持つ医療機関として、医科・歯科合わせて47診療科を設置しています。中四国唯一の小児がん拠点病院をはじめ、災害対応や新型コロナウイルス感染症への対応など行政や他の医療機関とも連携して地域医療に貢献しています。 https://www.hiroshima-u.ac.jp/hosp

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