2021/03/30

  • プレスリリース

222 nm-紫外線の眼(ラット)に対する暴露限界値の検討と安全メカニズムの解明

ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役執行役員社長 内藤 宏治、以下 ウシオ)と共同研究をしている島根大学医学部眼科学講座の谷戸 正樹教授・海津 幸子助教らの研究グループは、222 nm-UVCの眼への照射に対する安全性動物試験(ラット)を実施し、角膜炎を引き起こさない222 nm-UVCの最大照射量(暴露限界値)が、3,500から5,000 mJ/cm2 の間にあることを示しました。 この研究結果により、222 nmの国際的な安全性基準(TLV,許容限界値)である22 mJ/cm2の100倍以上大きい照射量でも、角膜障害は発生しないと推測されます。

また、「222 nm-UVCの組織深達度は極めて浅く角膜上皮の最表層(角膜最表層)のみに到達すること、角膜最表層の細胞は生理的な代謝サイクルの過程で12時間以内に剥がれること」が222 nm-UVCの安全性のメカニズムであることを明らかにしました。

なお、これらの成果は2021年3月22日付でPhotochemistry and Photobiology誌にて発表しています。

■発表内容について

【発表論文】
Re-Evaluation of Rat Corneal Damage by Short Wavelength UV Revealed Extremely Less Hazardous Property of Far - UV - C, Photochemistry and Photobiology

【ポイント】
・222 nm-UVCのラットの眼への照射実験では、5,000 mJ/cm2(ACGIH TLVの約230倍)まで角膜炎は発生しなかった。
・角膜最表層で観察されたシクロブタンピリミジンダイマー(CPD, DNA損傷マーカー)は、生理学的代謝サイクルによって剥離したため、照射後12時間後までには消失した。
・222 nm-UVCの安全性のメカニズムは、角膜最表層までのみ到達することができ、それが生理学的代謝サイクルの過程で12時間以内に剥がれることによって説明された。
・上記結果は、222 nm-UVCが今まで考えられていたよりも、ヒトの眼に対しても安全性が高いことを示唆する。

【詳細】
222 nm-UVCは、ウイルス不活化に効果的であるため、COVID-19のような感染症対策への利用に期待されています。この研究では主に222 nm-UVCを含むUVC、UVB紫外線によるラット角膜損傷の波長依存性の評価を行いました。さまざまな波長の紫外線(311、254、235、222、および207 nm)照射によって誘発された角膜損傷をラットで評価したところ、207 nmおよび222 nm-UVCの場合、照射24時間後に角膜損傷を引き起こすのに必要なエネルギー量はそれぞれ15,000 mJ/cm2および5,000 mJ/cm2であり、一般的な殺菌灯として用いられる254 nm-UVC(20 mJ/cm2)のそれぞれ750倍および250倍でした。

照射直後のシクロブタンピリミジンダイマー(CPD, 紫外線によるDNA損傷マーカー)の局在によって示される角膜への組織深達度は波長に依存していました。具体的には、311 nm-UVBおよび254 nm-UVCは角膜内皮まで到達、235 nm-UVCは角膜実質の中間まで到達するのに対し、222 nmおよび207 nm-UVCは角膜最表層にのみ到達することが分かりました。

222 nm-UVCを照射した角膜最表層で観察されたCPDは、この層が照射後数時間以内に生理学的な代謝サイクルによって脱落するのに伴い、12時間後までには消失しました。222 nm-UVCの角膜損傷を誘発するための最小線量は、ACGIHによって勧告されているTLVよりも200倍以上高い5,000 mJ/cm2であることが分かりました。この207 nmおよび222 nm-UVCの高い安全性のメカニズムは、これらの光が角膜最表層までしか到達しないこと、生理学的代謝サイクルの過程で12時間以内に最表層が脱落することによって説明されました。これにより、短波長207 nmおよび222 nm-UVCは、これまで考えられていたよりも角膜への安全性が高いことが示されました。これらの研究結果は、222 nm-UVCがヒトの眼に対しても安全性が高いことを示唆しており、今後のさらなる検証や議論が望まれます。

■今後の展開

ウシオは皮膚や目の急性、慢性障害などに対する安全性の研究・確認を国内外の研究機関と進めています。 眼科領域分野においては、引き続き島根大学とさらなる詳細な研究を進めてまいります。また、病院や老人ホーム、食品工場、空港、飛行機、旅客船などでの感染対策、医療機器の展開を見据えた感染予防機器などを視野に商品化を目指し、「光」による安心・安全な社会の実現に貢献していきます。

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国立大学法人島根大学
島根大学は6学部4研究科を有す総合大学として、大学の機能強化を図りながら、地域や国際社会で活躍する人材の育成、知の拠点としての地方創生という大きな役割を果たし、地域に活き世界で輝く大学として発展を続けています。 2018年には「次世代たたら協創センター」を開設し、金属材料分野において島根県及び関連企業との連携強化のもと、地域産業の振興を担う高度人材の育成と最高水準の研究開発拠点の形成を目指しています。

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