2015/06/24

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ウシオ、細菌感染を減少させる人体に無害な紫外線殺菌法の独占ライセンス契約及び研究委託契約をコロンビア大学と締結 ― 手術部位の細菌感染などを防ぐ ―

 ウシオ電機株式会社(本社:東京都 代表取締役社長:浜島 健爾、以下 ウシオ)は、このたび特定波長帯域の紫外線を使用して手術部位などの感染を防ぐ紫外線殺菌法の研究開発および製品化を推進するため、コロンビア大学(所在地:米国ニューヨーク市)と狭帯域スペクトル紫外線技術の独占ライセンス契約および、研究委託契約を締結いたしましたので、お知らせします。

 院内感染による手術部位の感染は重大な問題であり、米国だけでも毎年8,000人以上が院内感染により死亡し、毎年30~100億ドル程度の医療費が使用されているといわれています。

 コロンビア大学放射線研究センター長のデイビッド・ブレナー博士とチームは、エキシマランプによる特定波長帯域の紫外線などを使用する狭帯域スペクトル紫外線技術を使用して、ヒト細胞やヒト組織を損傷せずに選択的に細菌、ウイルスを死滅させる殺菌システムを開発しました。殺菌可能な細菌、ウイルスはMRSA、インフルエンザ、SARS-CoV(サーズコロナウイルス)、MERS-CoV(マーズコロナウイルス)、エボラウイルスを含みます。

 一方、ウシオはエキシマランプを世界で最も早く開発・実用化し、半導体、液晶パネル製造などのプロセスにおいて、主に光洗浄を目的にした製品を製造販売してきました。また、最近では水殺菌や脱硝などへの利用も研究し、エキシマランプによる遠紫外線のアプリケーション拡大に取り組んでいます。

 このたびコロンビア大学との契約締結により、ウシオは新たに医療現場での細菌感染を防ぐためのエキシマランプの用途開発を推進し、2015年冬から臨床研究をアメリカ、シンガポール、日本など世界数か所で開始し、2017年ごろの製品化を計画しています。さらに衛生・医療分野にも進出し、エキシマランプによる安全で確実な殺菌用システムの事業化を目指します。

狭帯域スペクトル紫外線技術について

1. 使用波長

本手法ではエキシマランプなどによる約200 nm〜230 nmの紫外線のうち、230nm以上の波長をフィルターでカットしたKrBr(207nm)および、またはKrCl(222nm)が使用可能です。これら特定波長を含む帯域の紫外線は、細菌を貫通し死滅させることができますが、細胞レベルではヒト細胞核まで、組織レベルでは皮膚上皮や目の水晶体の感受性細胞まで到達することがありません。そのため、従来の紫外線ランプの殺菌作用のメリットは維持しつつ、従来の紫外線よりもヒト細胞の生物学的損傷が劇的に少ないことが最新の研究で判明しています。

2.当該技術の潜在的用途

 (1) 細菌感染のなかでも、特にMRSA等の薬物耐性菌から手術部位への細菌感染を最小限に抑制。
 (2) H1N1(鳥インフルエンザ)、SARS-CoV(サーズコロナウイルス)、
   MERS-Cov(マーズコロナウイルス)、デング熱、エボラウイルスによる空気伝染および
   接触感染を最小限に抑制。
 (3) 感染した慢性創傷の治療。
 (4) ハンドドライヤー等の機器への殺菌機能の追加。

参考資料

図1 従来の殺菌用ランプによる紫外線(254nm)とエキシマランプからの207nm紫外線による、
MRSAとヒト細胞の死滅

左は、従来の254nm殺菌用UVランプ(波長ピーク254nm)を使用した際の、メシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA型 USA300)とAG1522標準ヒト線維芽細胞の死滅の比較で、いずれも高いレベルで死滅している。右は、207nmエキシマランプを使った際の同様のデータで、UV照射量が増えてもヒト線維芽細胞の死滅が、MRSAに比べて低く抑えられていることを示す。

図2 従来の殺菌用ランプによる紫外線と207nm紫外線による、突然変異誘発前の皮膚DNA損傷率

従来の254nm殺菌用紫外線放射(■)と、207nmの紫外線 (◆)によって誘発された皮膚DNAの損傷率。A:シクロブタン型ピリミジンダイマー(CPD); と、B: ピリミジン・ピリミドン 6-4 光分解生成物 (6-4PP). のどちらも、従来型のUVランプでは照射量に比例して損傷が増加するのに比べ、207nmの紫外線ではほとんど損傷がみられない。

Buonanno M, Randers-Pehrson G,Bigelow A W, Trivedi S, Lowy F D, Spotnitz H M, Hammer S M, Brenner D J. 207-nmUV Light - A Promising Tool for Safe Low-Cost Reduction of Surgical SiteInfections. I: In Vitro Studies. PLoS ONE, DOI: 101371/journalpone0076968.2013 PMCID: PMC3797730

コロンビア大学医療センターについて

 コロンビア大学医療センターは、基礎・前臨床・臨床研究、医療や保健科学教育、そして患者のケアにおいて国際的なリーダーシップを発揮しています。コロンビア大学はニューヨーク州や市内の最大規模の医療研究企業の本拠点であり、北東部における最大の教授陣を誇る医療機関の一つです。詳細につきましては、cumc.columbia.edu 又は columbiadoctors.orgをご覧ください。※コロンビア大学での当紫外線技術に関する研究開発は、コロンビア・コールター・トランスレーショナル・リサーチ・パートナーシップからの財政的支援や個人からの寄付等によって実現可能となっています。

本件に関するお問合せ先

【製品・技術ならびに設置等に関するお問い合わせ】
ウシオ電機株式会社 光源事業部 XEFL BU 営業部
TEL: 0120-911-222 / 
E-mail: care222_sales@ushio.co.jp
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ウシオ電機株式会社 コーポレートコミュニケーション課
TEL. 03-5657-1017 / 
E-mail: contact@ushio.co.jp
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